29年ぶりにリーグ連覇を成し遂げた東京ヤクルトスワローズが待つ、ファイナルステージ進出をかけたファーストステージが開幕する。先に2勝すれば突破となる短期決戦となるだけに、初戦で勝利を収めて優位な状態で2戦目を迎えたいところだ。重要な初戦で先発を託されたのは、今季チームトップタイの11勝をマークした今永昇太選手。今季はケガの影響で出遅れたが、11勝4敗とチームトップの7つの貯金を残しチームの3年ぶりAクラス入りに貢献した。そんな今永選手は、クライマックスシリーズで過去6試合に登板し、0勝1敗2ホールドという成績。まだ白星がない状況だが、シーズン中の勢いで嫌な過去のデータを払拭してもらいたい。舞台も、今季10戦7勝1敗と圧巻の成績を残す横浜スタジアムなだけに、大勢のファンに好投する姿を見せてほしい。

 今季、横浜スタジアムでの阪神タイガース戦成績は11勝2敗と大きく勝ち越し。この背景には、選手陣はもちろん、打撃陣の活躍も大きく影響していた。そこで、今季本拠地での阪神戦打者別成績を見ると、20打数以上の選手で6人が打率3割以上を記録していた。なかでも注目は、22打数10安打と抜群の相性をみせた大田泰示選手だ。横浜スタジアムの阪神戦で5試合に先発出場しそのすべてで安打を記録、うち3試合で複数安打を記録。年間を通した対阪神の打率も4割超えの数字を残している。移籍1年目、ケガで苦しむ時期もあったが、大事な場面で自慢の強打をみせつけただけに、クライマックスシリーズでも活躍を期待したい。その他では、4番として打線をけん引した牧秀悟選手にも注目したい。相手の初戦で先発する青柳晃洋との今季対戦成績は15打数7安打と打ち込んでいるだけに、第1戦のキーマンとなるはずだ。また、自身初の3年連続打率3割を記録した宮﨑敏郎選手、数々のキャリアハイを更新し、存在感を示した楠本泰史選手にも期待だ。

 過去のクライマックスシリーズでの投手陣の成績を見ていくと、10イニング以上投げている選手では、濵口遥大選手が3戦1勝0敗1ホールド、山﨑康晃選手が12戦1勝0敗5セーブ。いずれも防御率1点台と抜群の安定感を見せていた。濵口選手は3年前のクライマックスシリーズファーストステージ第2戦で4回2/3で2失点（自責点1）という成績。また、2017年にはファイナルステージ第2戦に先発し、7回2失点と好投し白星を挙げ、チームの日本シリーズ進出に大きく貢献した。一方の山﨑康選手は、2017年のクライマックスシリーズ8試合中6試合に登板して、すべて無失点で2セーブを記録。しかも6戦中5試合で三者凡退に抑える好投を見せた。今季自己最多タイ37セーブと完全復活を遂げただけに、短期決戦でも存在感を示したい。

• スコア左が横浜DeNA