リーグ優勝の読売ジャイアンツが待つファイナルステージ進出をかけたクライマックスシリーズファーストステージが幕を開ける。2年ぶり3度目のクライマックスシリーズ進出を果たした横浜DeNAベイスターズは、初めて本拠地で戦いを繰り広げることになる。今季は、71勝のうち43勝を横浜スタジアムでマークしているだけに、本拠地開催はチームにとって大きなプラス材料になるだろう。また、過去2度のファーストステージを振り返ると、いずれも2勝1敗で勝ち越しを決め、ファイナルステージ進出を決めている。今年と同じく阪神タイガースと戦った2年前も初戦は落としたものの2戦目、3戦目は打線が爆発し連勝を飾った。一方の阪神は、過去7度ファーストステージを戦っているが、突破したのはわずかに1回。しかも敵地で迎えた年は、いずれも敗退となっている。過去のデータを見れば横浜DeNAに優位なものが揃っているだけに、相性の良さを活かしたいところだ。

 今季の阪神戦の成績は、8勝16敗1分と大きく負け越し。横浜スタジアムのみの成績でも4勝8敗だった。ファイナルステージ進出のためには、シーズン中に苦手だった相手を打ち崩さなければいけない。そこで今季の阪神戦打撃成績を見ると、15打数以上の選手の中で打率3割以上をマークしているのは梶谷隆幸選手のみ。しかし、N.ソト選手、筒香嘉智選手は2割9分台を記録しているだけに苦手意識はない。筒香選手にいたっては、チームトップの16打点を挙げており、チャンスの場面で打席が回れば、大量得点の可能性も高まる。N.ソト選手も筒香選手と並ぶ4本塁打を記録。横浜スタジアムでの今季通算打率も3割を超えているだけに、シーズン同様に豪快な打撃を期待したい。

 過去2度のクライマックスシリーズの通算打撃成績を見ると、50打数以上の選手では宮﨑敏郎選手のみが、打率3割を超えていた。開幕直後は不調に苦しみ、その後復調するもケガで離脱。シーズン終盤に復帰を果たすという、浮き沈みの激しいシーズンとなった宮﨑選手。1年を通して働けなかった悔しさを、得意とする短期決戦の舞台で晴らしてもらいたい。

 その他では、打率4割台をマークしている柴田竜拓選手にも注目したい。シーズン終盤の8月、9月はスタメン出場も多く、いずれも月間打率は3割以上と好調だった。この勢いを持続させ、”クライマックス男”と呼ばれるような活躍をみせてもらいたい。